翻訳機きしる夜更けに独りなるわが黄金郷(エル・ドラド)はいずこにありや
えー、記録によると今年の1月2日に読めたことになっている本の感想を、こんな大晦日にやっていてどうするのかと思いますが、そこは置いておいて。
ともかくペルーが舞台の小説を、海外旅行で年末年始ペルーに行ったのを幸いに、現地で読むということをしていました。が、小説の中のペルーよりも、どうしても現実のペルーのほうが印象深かったですね。あんまりペルーとは思わずに読んでしまいました。まあそこはしかたありませんね。
さて、内容も随分と忘れた(ヲイ)ことなので、適当なことしか書きませんよ。
この話は、世界通信社の情報収集機ウィンカの一台が破壊されたので、原因究明のため現地ペルーに派遣された日本人カメラマン私=JHと、アメリカ人ジャーナリストのわたし=ソール・グレンのふたりの語りで進んでいきます。が、自動翻訳機を通して会話するふたりの現実が、別行動をさかいにどんどんずれていき、最後はよくわかんないことになります。とりあえず私=JH が主人公のようですが、わたし=ソール・グレンのワードレコーダーによる記述も、同程度の重みで存在し、また、私とわたしで語り分けがされているわけですが、これまでの神林作品における(主人公の)人称は、圧倒的に平仮名のわたしであるので、ふたり主人公と言っても良いのかもしれません。
というようなことはともかく、私=JHの前にひんぱんに現れる、おそらく幻想の女性リャナが髪を編んでいくと、一種の言語として理解できる、というところが美しいイメージで、それがペルーを舞台にした意味なのかなあと思いました。ただまあ、こんなぼっけらした男が結婚して子供がふたりいて、家庭をあまり顧みないから、奥さんが離婚を考え(るくらいに愛され)ていて、出張したペルーでトラブルに巻き込まれるものの、都合良く幻想の女性が現れて、監禁拷問されて辛い思いもしたけれど、最後はなんだかんだ幸せかもとか、そんなの私のアニムスが怒っちゃうだろ。
はっ、いけない。とにかく、幻想冒険小説風なのですね、というお茶を濁したようなフレーズでしめておきます、ではでは。
ちなみに下のは、マチュ・ピチュ行って撮ってきた写真です。
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