"雪風とか"カテゴリーの記事一覧
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ふと思いついて、小説の〈雪風〉シリーズとOVAの関係は、「BLOOD THE LAST VAMPIRE」(劇場アニメ)とそれをもとにした「BLOOD+」(TVシリーズ)の関係に似ている。ということで長々と書こうと思ったのですが、それではあまりにも「BLOOD+」が可哀想なので、やめることにします。
確かに「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のような雰囲気を期待したらちょっと違ったであろうことや、「BLOOD+」にはなかなか物語が前に進まずイライラさせられたり、描くべきところを描かない不満があったりしたのですが、それなりに愛すべき佳品であって、もともと「BLOOD+」は「BLOOD THE LAST VAMPIRE」とは別モノにするよと最初から断っていますし。
OVAの雪風を観て不幸にも心を傷つけられたからと言って、「BLOOD+」が同レベルの作品だと貶めて良いことにはならないもんな。つうか、勝ち負けで言ったら、「BLOOD+」の勝ちだよ。少なくとも私は「BLOOD+」を観て脱力感を覚えたことはあっても、不幸にはならなかったもの。
まあ、そもそも「BLOOD THE LAST VAMPIRE」に小説の〈雪風〉を比定しようという点で、間違っている気もする。PR -
昨日『戦闘妖精・雪風解析マニュアル』を近所の新刊書店で買ってきました。
図書館に買わせようと思ってたのですが、ここ最近、返却日をぶっちぎってる本があって予約しづらいし、この手の本は在庫いかんでものすごく待たされるか、本屋で見かけはするも入らないことがあるので、この際だからOVA感想で気分が盛りあがっているうちに買ってしまえと。
しかし、1260円(税込)はなんかなぁ。別に高いとも思わないけど、それだけの価値があるのかなぁ。まずは図書館に入れさせて、読んでみて決めたかったような。
なんせ図書館の本なら、読んで返すか読まないで返すかのどちらかしかないから(当り前だ)、とりあえず読むことに集中できるのですが、買ったら読まないで放っておこうが自由なだけタチが悪いのです。ビデオとかDVDだって、買ったやつは全然観ないものな。それはともかく、ぱらぱらっとしてて、「ぼくの、マシン」の挿絵を見たら、私はやっぱり多田由美さんの絵は好きだわと再確認。でも、どうにも雪風のイメージじゃなかったし、アニメがあまりにもあれだったから、ここのところ負の感情が起きかけてたのです。
ああもう、あのアニメが諸悪の根源のように思えてきた…。(そうだよ)ところで、このマニュアルにフェアリイ空軍の階級の説明が載っていると思ってたら、ないのですが何故ですか。確かに「フェアリイ空軍-その組織と編成」(石堂藍∥編)はあるものの、てっきりアニメにおける階級章のデザインなんかも載っているものと思い込んでたのですけど。
え、DVD特典の設定資料集に載ってるの? 出し惜しみすんなよな。
FAFでは大尉がLieutenantなのはいい、中尉は2nd Lieutenantになるだけです。アニメでは中尉のままでずっといけるのも、それがあってのことでしょう。しかし、だったら少尉はなんと呼ぶのかが知りたかったのに。(3rdとか?)海軍ならensignだけど、それもな…。かゆい所に手が届かんマニュアルに、存在意義があるのか。あ、マニュアルなんて大概そんなものでしたわね。と言うことで、アニメ版を元にしつつ描いた絵に、バーガディシュ少尉と英語で書こうとしたら、ハテ?
仕方がないので、フルネームのリチャード・バーガディシュにしときましたけど、このファーストネームだって「FAF軍人+α75名のプロフィール」(石堂藍∥編)に準拠してはいるものの、それ自体半公式らしいのがどうも。
私の勝手なイメージでは、バーガディシュ少尉はイギリス出身だしな。アメリカで事務員なんかやってねえ。そもそも、リチャードって名前で良いのかというところから考えないと。まあ、別に悪い名前じゃないしリチャードでええんやけど。拍手お返事です。
26日9:59 露草連続更新…の方へ
ありがとうございます。あんな辛口の雪風OVA感想を楽しんでいただけたようで、嬉しいです。私が言っている程度のことは、すでにどこかで指摘されているようなことばかりかとも思いますが、どうしてもまとまったものとして書き出してしまいたかったのです。 -
観賞日、4月7日(月)。
後日談のブッカー少佐の髪の毛が長い…。とても長い…。なんだかなあ。私の中年男性の長髪に対する理解度を、そんなに高く見積もられても困るのですが。これが(美)少年や(美)青年ならともかく。
別に時間が経ったことを表現するのに、髪の毛が長い必要はないでしょうに。再会できるまでハサミを入れないとかなんとか、誓ってでもいるのですか? でも将来、落武者みたいになっても知りませんよ? せめて一つに結わえてて下さらないでしょうか。
過ぎた時間を示すには、逆に頭髪をすっきりと短く切ってしまい、髭も剃っちゃって、フェアリイにいたころよりも若く見えても良いぐらいなものですが。
その代り、頬の傷痕がちゃんと目立って、なんとなくその傷痕付近を撫でながら、リン・ジャクスンへ爽やかに笑うブッカー少佐を正面から見せて、せいやっ、と手製のブーメランを投げる。おお失われた青春よ、しかし嘆くことはすまい、何も得られずとも円を描き、この手に帰り来るものはあるのだ。とかなんとか。どうしてこのアニメは、ああもメインの深井中尉とブッカー少佐の髪の毛が鬱陶しいのが最後まで続いた上に、さらに伸ばすかな。肌に合わないことおびただしいわ。
そもそも、どうも私の好みの髪型をしているキャラがあんまり出てこないのです。女性か男性かにかかわりなく。エディスの場合は2話の感想で書いたように外はねのブラウンヘアのイメージだったし、クーリィ准将は普段は髪を編んでまとめあげていて、ほどくと長いというのが良かった。
おデコなイトーくんは良いけど彼ではイマイチ重みに欠けて実は微妙だし、グノー大佐はすぐにあれだしなあ。と思っていたら見つけました、私のオアシス、ライトゥーム中将の素敵な形の頭を。ふふふ、ツルッパゲはデコッパチとまた少し違って魅力的ですよね。
そりゃもちろん、デコッパチの発展形としてツルッパゲを捉えることは出来ますよ。でも、髪の毛がある状態でのデコを愛でるのと、髪の毛のない頭部との連続性における総体を愛でるのとでは、全然意味合いが異なるのです。え、デコだのハゲだの髪型の話題ばっかりしてるんじゃない、雪風OVA最終話拡大40分の感想をちゃんと書け、ですか?
アヴァンの不可知戦域を飛ぶ雪風に原作で印象的だったシーンを持ってきつつ、なんか良く分らないままにうやむやになり、なんか良く分らないままにお茶会してて、なんか良く分らないままにロンバート大佐が叛乱起こしてて、最終的にFAFはフェアリイ星にある基地を放棄して地球側に引きあげ、ジャムとの総力戦へ雪風に乗って深井中尉も出撃し、なんか良く分らないままに南極にあった通路が消滅、なんか良く分らないままにジャムとの戦いは終結するも帰ってこなかった雪風と深井中尉とかいう、どうにもスッキリしない話の何を語れと言うのですか?
なんかもう、4話の最後のシーンと次回予告を観た時の、私のトキメキを返せ。でも、きっとこれは、壮大な夢オチなんだと気づいてからは、心が安らかになりました。
今でもまだブッカー少佐は不可知戦域で深井中尉と雪風に乗ってて、ミサイルが着弾するのを待っている一瞬に、この5話目の全てが想起されているのです。つまり一炊の夢というわけですね。
だって、明らかにアヴァンのところからのつながりがおかしいし、いつブッカー少佐がジャムに見せられているこの夢から目覚めるんだろうなあと、ずっと思ってましたもの。「未だ覚めず池塘春草の夢、階前の梧葉已に秋声」ということですよ。(違)
戦いは終わってなどいない。ジャムはそこにいる。
さあ、これでいつでも仕切り直して、三部目を元にした続編アニメ「戦闘妖精雪風II」が始められますね。いらんけど。ま、キャラデザやら色々練り直してというなら、止めだてはしません。総論
キャメロン&ソダーバーク版の映画「ソラリス」を観たあとのような気持ち。
「惑星ソラリス」を観て、原作の『ソラリスの陽のもとに』を読んでからだったので、観たかったのはこれではない、しかしこういうのもアリなのかてなとほほ感がなんとも云えなかったものです。
とほほ。
とほほ…。
とほほ……。
それはともかく、OVA「戦闘妖精雪風」及び「戦闘妖精少女 たすけて!メイヴちゃん」の制作スタッフの皆さまはお疲れさまでした。何だかんだ文句ばかり吐きつつ、楽しんだのも事実です。ありがとうございました。 -
観賞日、3月21日(金)。
「FAFめ、ジャムを連れてきやがった」
雪風(メイヴ)による地球の大気中での新型エンジンの燃焼テストと、通路を抜けた先の南極海でブッカー少佐が『ジ・インベーダー』の著者リン・ジャクスンと会う回なので、ほとんど〈改〉の「戦闘妖精」(&「戦士の休暇」)を元にしています。
これもまた原作時系列シャッフルで、もちろん原作と違う点は多々あるのだけれど、もともと思い入れの少ない話数なので普通に楽しみました。原作とはここが違う、あそこが違うなんていちいちあげつらうのは、虚しく報われない行為ですものね。ええ、そんな死んだ子の年齢を数えるような真似は。ただ、地球側へ雪風が抜けて、ジャムの戦闘機もまた追いかけて出てくるところは、もうちょっとどうにかならなかったのでしょうか。
空間特異点に近すぎると、通信がうまくつながらないということかもしれないのですが、ならばそういう情報を視聴者にそれとなく知らせた上で、ブッカー少佐が南極海で待機中の日本海軍に連絡をつけようと努力するシーンを描写するべきではないのですか。そうでなければ、なんのための複座で、なんのためのフライトオフィサなのですか。
性能実験を行うFAFの戦闘機は予定どおり一機であり、しかしジャムがついて来ていること、もちろんそれは不測の事態であること、日本海軍はジャムの戦闘機への迎撃体制をとるべきであることを伝えるのは、フライトオフィサの業務には含まれていないとでも?
地球にいる人間のFAFへの反感を表現するためにか知りませんが、「(味方の戦闘機が)俺たちを囲んでどうする…」なんてセリフだけでは、単にブッカー少佐が無能に見えるので、もう少し描写を練っていただきたかったです。
せっかく、「忘れていた脅威に直面する」なんて煽り文句が素晴らしいのだから、もっと演出で魅せないと、CMの方が面白そうだったのにと言われるハメになりますよ。それにしてもやられメカですけど、日本海軍の戦闘攻撃機の方が、戦闘機っぽくて私は好きかな。ムダを削ぎ落とした地味に格好良いのがいいんです。アニメ色をしているのは本当は好きじゃないのですよ。
だいたい戦闘機は戦闘機がやっているからいいのであって、アニメの雪風はどうもそこがよく分らないのです。例えば、この日本海軍空母アドミラル56から発進するシーンなのですが、垂直離陸する戦闘機って……。
なんかどっかで見たことがある風景だなあと思ったら、あれです、ペットボトル・ロケットの発進シーンにそっくりなのだわ。あら、おかしいわね、雪風は戦闘機であってロケットではなかったはずじゃない? それともあれかしら、VZシリーズってことなのかしら? 全く……。まあ、そう云うことはともかく、妖精空間へ帰っていく雪風がジャムの作り出す不可知戦域に取り込まれ…、というところで続くとなっているのは、今までで一番良い引きです。
まあ、これまでは1話完結だったんですが。それで何事もなく帰って終りと思ってましたから、イイ感じに裏切られました。
こうして最後の場面を「戦略偵察・第二段階」につなげたところは、なかなか。どうせならフライトオフィサ席には桂城少尉が乗っていて欲しいところですが、それは言わないお約束ですからね。
実際、アニメ版における原作エピソードのこういったつなぎ方は、エディスの時にも思いましたが、上手い方だと感じます。1クール12、3回とは言わないでも、せめて10回は欲しいところを、5話(1話約30分)なんてムリヤリな短さでよくやっていると思います。ただ、全体として見ると、それが全然活かされていないのが問題なだけで。
それはさておき、次回予告を観て不覚にもワクワクしてきたので、次の最終話にどうやって落とし前をつけるのかが楽しみです。 -
観賞日、3月21日(金)。
眼球表面を洗う体液があふれました。泣けました。
「おおかたエラーに驚いて逃げ出したんでしょ」とか、自分のことを弱虫だとか、あたしのトム・ジョンはそんなこと言わない。(いつお前のになった!)
ふだんは握手をしない深井中尉(単に日本育ちだからとも言う)が、戦士と認めて手を握り返したほどの人なんですよ。
アビオニクス(航空電子工学)の才能ゆえに保留地から離れざるをえなかったトム・ジョンは、日本から送り出され、教育プログラムによって戦闘機乗りとなり雪風を見出した深井中尉とは、重なるようで重ならない。でもそこにこそ生まれる交感が大事だったんです。
なんですか、アンディ・ランダーとの「不可知戦域」と足して2で割ったようなストーリーは。アンディはどうされてもいいけど(いいのか)、トム・ジョンは原作の彼を描けないのなら、いっそ出てこない方が良かった…。
あたしのトマホークが…。(だからいつお前のになったよ!)うああぁ、せめて全5話じゃなくて1クールあればなぁ。そしたら、「インディアン・サマー」をきっちりやって、「フェアリイ・冬」だって全体の中で少し毛色が変わった1話としてやれたはずなのに。(それはどうかな)
せっかく原作エピソードが前後するのを押してまで、バンシーIVとトム・ジョンを出してきた結果があれですか。矢尾一樹さんの声はわりと好きで、むしろトム・ジョンに合ってないこともないから、余計に腹が立つと言うか。
いえ、アニメのあれはあれでジャムによって送り込まれた複製の彼らも、自分の人間としての記憶とジャムに与えられた2度目の生に引き裂かれて苦しむということを表現しようとしたのだとすれば、悪くないのです。
だからって、それをトム・ジョンでやるなっつーの!あのね、「インディアン・サマー」で一番大事なのは、心臓が…っていう一連の流れなんだと思うのですが。入国拒否されたって部分だけじゃなくて、ジャムがどうしてトム・ジョンの心臓を狙ったのか、までがですよ。最後のとこまでですよ。
機械によって補われた生の、そのどこまでが人間で、どこからが機械のものなのか。
「ぼくは……人間だよな」というトム・ジョンの最期の言葉は、もっとずっと切実なものとしてあったんだよ。
私の読解能力が低いのかと落ち込みそうになるから、アニメでの改変にはもうちょっと気を遣って欲しかったです。
そこさえ外さなければ、バンシーIVがぐわーんてなって、雪風をすたとーんとやって、スポッティングドーリーをダダダダダーンと撃ちまくって、どれだけ原形質がでんでろりーんとなろうと、私は気にしませんでしたよ。ええ、全然。ええ、例えトム・ジョンがああいう性格に変えられてても。おそらく空飛ぶ巨大母艦バンシーIVを出したいがために、原作の時系列シャッフルしたんだろうなという風にしか思えない、トム・ジョンはバンシーIVの回に出てくるからアニメにも出しました、でも原作設定のままは難しかったので変えました、としか思えない原作派の私を不幸にしてどうするのか、このアニメは。
もちろんアニメはアニメで別物だし、徹底して原作に忠実なつくりこみでもしない限り、原作ファンを全員納得させることは到底できないし、そもそも全員が満足とか有り得ない話ですが。
それでもやっぱり、どれほど表面上は変えまくっても元の作品の核心だけはがっちり掴み出して呈示してくれさえすれば、認めるにやぶさかではない、むしろかなり良いんじゃねえのと思わせるのが、メディアミックスの要諦、理想であると信じたいのです。いや別に、プルトニウム238で駆動する人工心臓だけにとか、ギャグが言いたかったわけではなく。
………。
えぇーと、3話で良かったのは、1話2話のあの気持ちの悪い目揺れがほとんどなくなってたことだけですね。なんだったんでしょう、あれは。演出のスベリかしら。
ごめん(謝罪は弱さにつうじるわ)、良いとこ他に、そこしか思いつきません。