"帝王の柄はペイズリー"カテゴリーの記事一覧
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ようやく『帝王の殻』の旧版と新版のつき合わせを終えました。『帝王の殻』新版文庫は持っていますが旧版というのは図書館の本なので、貸し出し期間延長を繰り返すこと数回、えーと、何カ月だろ。
ともかく、なかなか進まなかったのは、梶野少佐が出てくるまでが長いからですヨ、ええ、もちろん。それを思うと『膚の下』は良かった。やっぱ次は「SFマガジン」連載分との比較をしようっと。『あな魂』新旧比較考察も『帝王の殻』のチェックが済んだからには、早くやっつけてしまわなくっちゃ。さて、これまた見落しはあると思うし、JA文庫の第二刷と中央公論社の単行本の『帝王の殻』との比較であり、単純な語の異同等は文庫化の時点ですでに修正されているかもですが、どのみち『膚の下』合わせの変更箇所に焦点を絞るわけですから、あまり気にしないことにします。それにしても、最新の版で誤字脱字や誤表記等が修正されているのは喜ばしいのですが、逆に間違ってるんじゃってところが見つかると、なんだかなあ。
まあ、そんなことはさておき、梶野少佐の変更点については、前前から覚悟がついていましたが、今回チェックしていて、意外とアミシャダイにもかなりセリフやらの変更箇所があって、ははは、アミシャダイってば吹くなよな、と思うあたりが梶野少佐との愛の差です。あなた昔はそんなこと言う機械人じゃなかったわ(笑)。
私は新版における梶野少佐の変更点については、否定しつつ肯定したい(愛ゆえに)のですが、アミシャダイの変更点については、肯定しつつ否定したい感じです。いえ、なんかね、やっぱし『膚の下』のおかげでアミシャダイのイメージが、『火の鳥』のロビタやチヒロになってしまうというのはちょっとマズイ気がします。いえ、チヒロとロビタは好きなんですけど…。という下らない話はともかく、私は梶野少佐の変更箇所を熟慮するのにやぶさかではありませんが、アミシャダイの変遷に関しての詳細な分析は面倒(ヲイ)なのでしたくないです。人外には萌えがないので悪しからず。と云うかそもそも、私の手には余るわ。誰かアミシャダイ好きさんがやって下さったら良いのですよ。
公平な取引を致しませんか。アミシャダイ好きさんに梶野少佐の情報を提供します。私はアミシャダイの設定変更箇所の分析を望みます。アミシャダイ好きさんは機械人について語ればいい。私は梶野少佐に専念します。悪い取引ではないと思います。検討して下さいな。応じる用意はできています。
うーん、ちょっと不自然な感じ。PR -
『帝王の殻』加筆訂正の件再び。
私は前回、梶野少佐に関して最大の違いは…と書きましたが、他の部分も見ていくと、機械人の設定にも重要な変更があります。
人によっては、アミシャダイの方が大事とおっしゃられるかもしれませんね。まあ、私は基本人外キャラに萌えはない(アプロにしてもラジェンドラにしても、好きだけど)ので、そんな他人のことなど知ったこっちゃありません。(キッパリ、って待て)それで機械人については、要は『膚の下』でアミシャダイが語ってくれた方向に変更になってます。元の文章が気になる方は、自力で探して下さい。著者が必要と判断して書き換えた部分を、あんまりこういう場所であげつらうのもなンなので。ええ、ここはアカデミックな叙述をするとこじゃなくて、妄想を可視化する領域(カッコつけてみました)ですから!(つうか、あげつらってない気でいんのかよ?)
しかし、旧版で示唆された月戦争の原因かもしれんことが、新版で華麗にスルーされてます。これは本来『帝王の殻』の主題とかかわる部分だったと思うだけに、やや不自然な気がします。て言うか、不自然と感じなかったらこんな文章書いてませんよ。
私は先に旧版を読んでますから、どうしてもそちらの描写に思い入れがあるのです。始めから新版で三部作全部読んだ人なら、どう思われるのでしょう。誰か教えて。こういう、映画なんかでも完全版とかディレクターズカット版とか大幅な改訂とかあると困りますよね。発表された順に見るべきか、新しい方か。先に見ちゃった方が印象深かったり、気に入ったりしがちですもの。古書の世界で初版が重要視される理由が、何となく分ったような錯覚が。(錯覚かよ!)それにしても先に見たのがどちらになるかなんて、巡り合わせとしか言いようがないと思ってますけどね。
でもまあ、大丈夫です。新版で上書きされた設定については、月戦争編の4部目が引き継げば良いんです。『あな魂』と『膚の下』とが対になっているのだから、次は『帝王の殻』と4部目が対になる番、なんて(笑)
月戦争に参加した若き日の梶野父(ここでは梶野大尉とでもしておきましょう)が知った開戦の真実とは。
地球人は、いったい月人の何を恐れたのだったか。
誰もが、機械人ですら、忘れてしまった理由のために、兵士に戦えと命じるのか?
「士官学校を出たばかりの少尉が、戦時特進であっと言う間に大尉です。馬鹿馬鹿しい限りだ」
やがて地球と月の狭間で、梶野大尉は更なる悲劇を目撃することになる――。
「あの戦争は大きな過ちだったと思います」
おっといけない、これじゃ脇役になんねーや。いっそもう主役で…とかww
とりあえず、こんなアホは放っておいて、本当に4部目出ませんか? -
『帝王の殻』が『膚の下』との整合性のために、加筆訂正された件なのですが、近所の図書館に行って、中央公論社の単行本(初版)をかりてきてチェックしました。しかし、返してしまったので手元にないや、まあええか。
そして全部比較検証するのは面倒なので、梶野少佐の出てくるところだけを。(またか)
そんで、細かく見ていくのも面倒(ヲイ)なので、今のところ適当にまとめだけ書いておきます。さて、最大の違いは、梶野少佐がかつてアミシャダイに会ったのは大尉の時だった、月戦争に参加したことがあるような発言をしていることです。
『膚の下』をお読みの方は先刻ご承知のとおり、梶野少佐は『膚の下』でも少佐になっています。そして、戦後生まれですね。
どうやら、当初の設定からズレてしまったようです。
でもきっと、このアミシャダイに大尉の頃に会ってて、月戦争に従軍したくだりは梶野少佐の父上に引き継がれるんですよ。そして月戦争の4部目があったとしたら、梶野父が脇役で出てくると。親子で名バイプレーヤーって訳ですね。(何がだ)まあ、そんな妄想も良いですけど、個人的には、
「アミシャダイに前に会ったのは、大尉の時だったんじゃないんですか」
とかって、石谷少尉あたりにねちねち梶野少佐が苛められるのもイイなあ。
「うるさい、わたしの所為ではない。作者の都合だろう。他の作品に1ミリも出てないやつに言われる筋合いはない」
と、反論するんだけど、
「だから問題なんでしょう。わたしたちは、アミシャダイを除いてですけど、『あな魂』にも『帝王の殻』にも出てないから設定が自由に改変できますが、少佐は一応矛盾がないようにしなければいけないんですよね」
以下エンドレスでねちねち。グッジョブ、石谷少尉。(酷ぇ)もっとも、〈敵は海賊〉シリーズのように〈火星三部作〉も1作1作自体はパラレルに存在していても良いなら…、だったら書き直す必要もなかったか。
三部作がパラレルで、梶野少佐も3人とか思うとすごくドキドキするのにな。
だって3倍じゃもの、なっ、なっ。(だから何がだ)
さてと、いい加減収拾がつかなくなってきたから、この辺で仕舞いと。