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露草備忘録

〈火星三部作〉は『あなたの魂に安らぎあれ』と『帝王の殻』と『膚の下』(神林長平著、早川書房)で活動中。梶野少佐中心。

私の中ではつながっている話

先日、6月30日(水)に中央公論社の単行本の『帝王の殻』と、徳間書店の単行本の『死して咲く花、実のある夢』を三条京阪にあるbkffにて、首尾よく手に入れてしまいました。
しかし、この話をするには、まず映画「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」を観に行ったところから始めねばなりませんので、まずその話をします。(ネタバレ御免)


さて、「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」(以下リジェネ)と言ったら、18年ほど昔に公開されたSFアクション映画「ユニバーサル・ソルジャー」(以下ユニソル)の正当な続編というか、本当はその前に作られた「ユニバーサル・ソルジャー:ザ・リターン」(以下ザ・リターン)をなかったことにして製作されたという、映画版シリーズ第三作です。
私はザ・リターンは観てませんけど、ユニソルをTV放送で最低2回は観てて、図書館にあったからノベライズも読んだというくらいには、映画のユニソル好きなんですよ。もったいないから死んだ兵士を生き返らせて、戦闘マシーンとして再利用しよう、なんていうB級臭いとこ込みで。死んですぐなら蘇生可とか、いやあ、ないですわー。
そこはともかく、ユニソルの主演のジャン=クロード・ヴァン・ダムが好きだけど、ドルフ・ラングレンも好きなので、リジェネではヴァン・ダムとラングレンの二人が再共演となったらもう観てしまいますがな。ザ・リターンにはラングレン出てないですからね。
と言っても、公開映画館が新京極シネラリーベだったので、ツイッターのユニソル公式アカウントunisol2010さん(初期型「ユニソル」リュック)のPOSTに後押しされなければ、わざわざ足を運んでまで観に行ったかどうかはわかりませんが。シネラリーベはね、前に行ったのが確か2003年くらい、しかもその時はただの弥生座だから、もう7年近くご無沙汰だったんだもん。つか、初シネラリーベ!


ということで行ってきましたレディースデー、新京極は久しぶりだわ、ユニソルの二人に会うんだからおしゃれしなきゃと、ヒールの高い靴を履いた日にゃあ靴ずれでかかとが痛くなったけど、時間は余裕みてきたから大丈夫と、ゆっくり歩いてシネラリーベまでたどり着けば、上映の30分前でした。
改装してからは本当に全然来たことないよなあと思いながら、地下の方だから階段降りて行ったら、チケット売り場の女の人に、何やら怪訝そうな顔をされたのは気のせいだと思いたい。
ええ、レディースデーとはいえ平日の16時台に学生でもない二十代後半の女(もうアラサー言う方が早えな!)が、一人でB級アクション映画なんか観に来たら、そりゃおかしいでしょうサ。私、水曜の午後はオフなのよ。
ま、ともかく、もう中に入って好きな席につけばいいと言うので、先客が誰もいない映画館の真ん中より前らへんの適度にスクリーンから離れた席に陣取って待つこと三十分。その間、男の人が一人入ってきただけだから、いやんうそんと思ったけれど、大画面ほとんど一人占めやと思えばええねん、他人の目ェ気にせずに自宅のようにくつろいで観れたからええねん。


さて、観てすぐの感想はツイッターに流したので、くりかえすのも新鮮味がなー。でも感想が全然ないのもなんですし、以下ちょいと再文章化です。
映画の予告編が始まり、例の警告CMが終わったと思ったら、前振りなんもなくいきなり東洋美術品シーンが始まってビビったら、次のシーンにまたビビり。これはケッサクの予感!と思ってたら、わりかし普通に傑作じゃね?と最終的に思いました。アメリカでは上映されずに、DVDスルーされたそうですが、結構もったいない。
もちろん、自他共に認めるB級映画ですから、色々突っ込みたいところは沢山ありますけれど。時々、せっかくの緊張感が持続してない場面とかあったりして。まあ言うても仕方ないよね。
とにかく何が観たいといったら、ヴァン・ダムとラングレンなんだし、アクションシーンであるわけで。しかし、二人とも老けたよなあ。「4年(※)のリハビリが…」というセリフからすると、映画の中の時間では、あれ(ユニソル)から4年(※)しか経ってへんてことなんかなあ。とてもそうは見えませんネ。
ラングレン(スコット軍曹)のシーンがサービス程度という前評判は確かにそうで、ちと出てる時間少なかったです。でもカッコイイから許す、許しちゃう。最後一体何が言いたかったのでしょう、軍曹は。人生は単純にはいかんもんですね…。


ときに、前半の、スイスの料理店で近づいてくる男性客を、じっと見つめているヴァン・ダム(リュック)のクローズアップが、実はこの映画で一番のお気に入りシーンだったりします。だって、やっぱりヴァン・ダムは私好みの美形だよなあ、って思う顔してるんですもの。後半はもっと怖い顔してるシーンばっかりでしたし。
戦場に引き戻されたリュックが、建物に侵入してバッタバタとテロリストたちを排除するシーンは、カメラワークの良さも相まって、非常に鬼気迫ってました。痛い、痛い、怖い、怖いよ。うう、R15+も納得ですわ。
全編抑え気味の演出だから、本当にもうみんな痛そうで、ずっとあわわぁと言いながら観てました。イヤあ後ろ後ろ、子供たち逃げてー、大尉ー。
と、バーク大尉はオイシイところ持ってったよね。序盤の四体の初期型ユニソルが割とあっさりやられた新世代ユニソル(NGU)とやりあって、イイ線いったんですもの。バーク大尉をやってはるのはマイク・パイルか、なんか好みな感じ。3Dだという続編にまたバーク大尉が出てくるなら、続編に対する期待度がいやがうえにも高まります。が、実際はどうなんだ、気になるー。
まあでも、なんと言っても、最後に走り去るリュックの後ろ姿が胸に迫りましたよね。背中で語りやがってコンチクショウ、泣かすなよ。


てなことを考えながら、帰る前に通路の壁に貼ってあったリジェネの公式サイトにも載っている紹介文を読んでいたら、チケット売り場でおじさんが「来週も時間同じ~? 変わるんやったら早く観ないといかんけど、そうか変わらへんのやったら、また今度」と言って去るのが聞こえました。今日観て帰れや。
その後、ぶらぶらとあちこちへ寄りながら京阪三条ビルを目指し、冒頭に書いた仕儀に相成ったというわけでございます。
え、リジェネの感想と、中古本買ったことは全然関係ないじゃん? 
何をおっしゃいますやら、リジェネを観に新京極まで行かなかったら、三条京阪の新古書店にも行ってへんのですから、『帝王の殻』も『死して咲く花、実のある夢』も買えてへんやないですか。6月の前半に一度行ったきりで、7月に入ってからも京阪三条方面には一度も行ってませんし。それに前にも書いたことあるけど、『膚の下』に出てくるERUの勝手な部隊イメージは、ユニソル部隊なんだから関係ないことはないっ!


さてと、中公の単行本の『帝王の殻』はもちろん旧版の梶野少佐ですから、前前からずっと手に入れたくて、これで市の図書館に頼まなくてもいつでも読めるんですよ、なんて素敵なの。
『死して咲く花、実のある夢』は文庫持ってますけど、読んだのがこの徳間の単行本で、それに表紙イラストが米田仁士さんで…、あ、いや逆だ。表紙絵が米田仁士さんだから読もうと思ったのが先か。まあ、大分昔のことだから、どっちでも良いや。ともかく、私は『死して…』は文庫版よりこの単行本版の方が好きよってだけです。
他にも同じ人が売ったとおぼしき神林作品の単行本や文庫本が何冊かありましたが、私はコレクターじゃないですから、すでに文庫で持っているのは、あと同じ本いらね。ただ、『あなたの魂に安らぎあれ』のソフトカバー単行本か、五刷以前の文庫本が一緒に置いてないかと思ってドキドキして、なめるように探してみたけどなかったのが残念でしたわ。やったぜな梶野少佐が欲しいです。
まあ『あな魂(旧版)』は、縁があるならいつか絶対手に入れられると信じています。三部作の続編(つうか第四部)だって、ウン年後に出ないとも限りませんしね。そう、ユニソルのリジェネのように。( ̄ ̄ー ̄ ̄)


それでは、最後にツイッターにも流した一言で〆させていただきます。
「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」は、戦うために人工的に作られた元人間の悲哀が詰まってて、『膚の下』のアートルーパーなんかにも通じるテーマを扱ってるので、SF好き、または神林作品好きな人はみんな観ろ! いや観てください。


※2年の記憶間違い。2年が正しい。そもそも、ユニソル無印がベトナム戦争が終わって25年くらいで、リジェネがチェルノブイリ原発事故から20年近くなのに、あれから4年とかありえませんです。しかし、その間の空白(ザ・リターンは除く)が気になるところではあります。(追記2010/9/23)

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