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露草備忘録

〈火星三部作〉は『あなたの魂に安らぎあれ』と『帝王の殻』と『膚の下』(神林長平著、早川書房)で活動中。梶野少佐中心。

OVA「戦闘妖精少女 たすけて!メイヴちゃん」感想 あるいは「戦闘妖精少女〈改〉 ネタかく方が楽しいんだ」

観賞日、4月7日(月)。
メイヴちゃんは雪風の最終話を観た後だったので、なんかこう毒を以って毒を制すという感じに、まあ割と楽しめましたよ。雪風の感想より先に、メイヴちゃんの感想を書き上げてしまったぐらいに。
ただ、観てて分りましたね。評価が低い理由は、決して戦闘機擬人化なんて何考えてんだという反感によるものだけとは言えません。
現実世界の少年が妄念の世界にまぎれ込み、そこではFAF戦闘機が少女だった、なんて手垢のつきまくったSFなんぞやらんでええ。「迷惑一番」や「敵は海賊」や「天国にそっくりな星」のセリフはまあ、くすぐりとして入れ込みたかったんだなあと思うだけですが(成功はしてません)、つまりどうも突き抜け具合が足らないのですよ。小さくまとまった感があります。
原作ファンを怒らす覚悟で戦闘妖精少女をやるからには、もっとはじけるべきでした。


まず第一に、戦闘機擬人化と言いながら、ジャムの戦闘機少女はどうした!
ええい、馬鹿者! ジャムのさしむける戦闘機少女が、FAFの各戦闘機少女を食うぐらいの勢いで出てこなきゃいけないだろうが、ああっ!
あんな三角形みたいなものより、FAFの少女たちが戦うのもまたジャムに送り込まれた少女たち、って方が萌えませんか? 私は萌えます。(きっぱり)
そうそう、格好はゴスロリが良いです。FAFの妖精少女の装束は元の機体デザインを反映した直線的なものだけど、JAM少女は機体デザインとは全く関係なくひらひらとやわらか。妖精少女たちよりむしろ生身のような雰囲気ながら、感情をほとんど表さないと言うか無表情なんです。まんまゴシック・ロリータ。それで顔が見えるとあれな感じになるから、眼隠れっ娘です。良いですよね、眼隠れっ娘。
ジャムの戦闘機ならどれでも同型少女で、機体の違いはカラーリングや小物によって区別するとかどうでしょう。
JAMの戦闘機少女


さて、次に問題なのは主人公に杉山レイなんつー、現実世界の一アニメファンの少年を起用していることです。
スギャーマなんて、ぽっと出のどこの馬の骨とも分らん山出しの田舎モンの気の弱い取り柄もない薄い単にアニメが好きなだけの少年の何が良いのでスか? え? 萌え萌えハーレム美少女ものの男主人公なんて、その程度でよろしいとおっしゃるのですか? 酷いことを。(どっちが!)
ま、スギャーマ(アダ名決定)の良いところは、吉野裕行さんが声をアテられていることぐらいです。しかし吉野さんと言えば、ちょっとかすれたような独特の声でされるチンピラ風の演技が最高な方ですよ。気弱な少年なんざやってる場合じゃないのです。(いや、アレはアレで好きですが)
吉野さんをスギャーマに起用しておいて二重人格でもなんでもない(ヲイ)なんて、もったいないことを! そう言えばこのアニメは、声優さんがムダに豪華ですね。
くっ、設定を自然に説明するために、何も知らんキャラが必要だという要請は理解しつつ、やっぱ私としては要らんわスギャーマ。少年出したかったら、レイフくんにしてくだされれば良かったのだわ。そうだ、吉野さんがレイフくんの声とかどうですか! ええ、天啓を得ました。吉野さんには是非、戦闘妖精王子レイフくんで!
「男が使命をおびている時は、何事にもひるまねえものよ」((c)ロンリー少年 吉野さんの声でレッツ再生)
まあ、スギャーマ必要ならレイフくんとの2役ということでいてても良いです。(酷ぇ)
レイフくん。メイヴちゃんに似せてみる


そして最後に、FAFの妖精少女が少なすぎます。なんですか、メイヴちゃんにスーパーシルフちゃん、シルフィードちゃん、ファーンちゃんI、IIにバンシーちゃんA、Bといてるやん、と言わはりますか。
フリップナイトちゃんはいるべきではないのですか? 警戒機ちゃんは? 偵察衛星ちゃんは? さらに言えば、除雪車ちゃんは? スポッティングドーリーちゃんは? その他諸々は?
擬人化とは、超長期連載マンガの如しですよ。(これで終りということもなし)
まあ戦闘機に限ればフリップナイトちゃん、飛行する機体なら警戒機ちゃんと偵察衛星ちゃんも、ってところでしょうか。


そこで、フリップナイトちゃんは母機と子機があるわけですが、母機の方がフリップナイトちゃんです。子機は「わたしは子機ちゃんたちって呼んでます」とか、そんな感じで別キャラです。
そしてフリップナイトちゃんは、意味もなくチャイナ服でお願いします! 他の妖精少女と、明らかに衣装デザインが違って整合性がないじゃないかなんて、どうでもよろしい。萌えにチャイナ服は欠かせないでしょう? それかグノー大佐の趣味だ、趣味。あの人は戦闘機の趣味だけは良かったですね、とかさ。(死人を鞭打つな…しかも事実無根に…)
チャイナドレスのロングスリットから、ちらりと脚線美を見せつつ飛行する妖精さんが見たいじゃないか! 露出してたら良いってモンじゃないですからネ。私はミニスカートと膝上ハイソックスとの間の生肌より、むしろ膝上ストッキングとスリットの間に見える三角部分が絶対領域ですから。
フリップナイトちゃん


さて、子機ちゃんたちは2頭身キャラで、小さいから自分たちより大きい機体は開発制作時期に関係なく、みんなお姉さんだと思っています。フリップナイトちゃんに対しても母機だけど「おねーたん」と呼びます。基本それ以外のセリフはなしです。
あ、レイフくんには「おにーたん」です。レイフくんに妹キャラがいないという弱点も、子機ちゃんたちで解決です。レイフくんはスーパーシルフちゃんやシルフィードちゃんたちがちょっかいをかけるのはうるさがりますが、子機ちゃんたちとは時々何をするでもなく一緒にすごしている姿を目撃されています。でも、もっとぼんきゅっぼんな妹キャラの戦闘妖精少女が欲しいなんて方は、まず新しい機体を開発してくださいね。
小妖精フリップナイト子機ちゃん 小妖精フリップナイト子機ちゃん


それで後は眼鏡っ娘がいないから、警戒機ちゃんが大きめの丸眼鏡のクールな少女とか、ドジッ娘な偵察衛星ちゃんたちとか、スポッティングドーリーちゃんは着物姿でおかっぱ頭の童女(妖精少女の手をひいて格納してくれる)とか、そういうのを考え出すと長くなるからこのへんでやめます。
結論としては、擬人化で萌えなんて果てなき荒野を行く如し、よしといた方が無難です。

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