昨日、下鴨神社の納涼古本まつりに行ったら、「SFマガジン」の1985年~2001年分ぐらいが出品されているのを見つけました。どこぞの新古書店ではないので投げ売りしているわけでもなく、だからといって状態がすごく良いわけでもないので、立ち読みだけしときました。(お前ね;)
まずは、『膚の下』の連載が始まったのは2001年くらいよネ~と、初回の載っている2月号をぱらり。1回の分量は3章と半分ぐらいなのネ、そっか、梶野少佐は2回目からなんだと3月号をぺらり。
現在『あな魂』と『帝王の殻』の新旧版比較を試みているため、そう云えば『膚の下』も雑誌掲載時からちょっと変っているとか。でもさすがに、連載から単行本にまとめる時の加筆訂正までは、チェックしきれないよなあ。その程度はよくあることだし。
――などと思いながら、間明少佐と梶野少佐の病院デート場面をざっと流し読みをしておりましたらば。
医師との話を切り上げた梶野少佐が、間明少佐に言いました。
「そうあらたまらなくてもいいだろう。まったく、いつまでたってもおまえさんは変らない」
おまえさん? おまえさん? ??? 確かそこは「きみ」、文庫版(上巻p.60 l.7)では!
いやあ、長屋の住人的「おまえさん」のあまりの衝撃に、文庫本持ってきて読み比べたい、連載全部チェックしたい、単行本もか、と一瞬にして妙なやる気がメラメラと燃え盛りました。まあしないですよ、たぶん…。
それにしても、ああ、「SFマガジン」の連載で読んでなくて良かったと、はじめて心底思えました。初回をスルーした上、結構後まで連載してることに気づいてなかった(さらに文庫化のことも半年ほど忘れてた)己の間抜けさ加減が、今報われたんだわ。(←このへん錯覚)
なにせ、私は『膚の下』文庫版で再会した梶野少佐と、それに合わせて書き改められた旧版の『あな魂』と『帝王の殻』の梶野少佐とを、どうにかしたくてここ露草備忘録を始めたようなものなので。これが連載から読んでたら、月刊ペースに慣らされて、こんなことしてないでしょうし。『膚の下』は、睡眠時間削って3日で一気読みしたんだよね、確か。
ともかく、一言で私をこんなにも高揚させられるなんて、梶野少佐、おそろしい人!(笑)
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